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【第6話】天才の姉だけ溺愛する両親→発達障害の私は犬小屋に放置され…
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 母「寝る場所が犬っぽいんだから、 食べ物だってこれで十分でしょ? 死にゃしないわ、 これも人間が作ってるんだし」 母は犬用の皿にざらざらと、 ドッグフードを山盛りにして、 私の目の前...
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【第1話】天才の姉だけ溺愛する両親→発達障害の私は犬小屋に放置され…
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本編
マヤ「私たちみんなで、
東京行って来るの。
受験する学校の下見よ」
スカミ「……そう」
マヤ「何よ、連れて行って
もらえないからって、
ひがんでるの?
あんたのお姉さまは、
天才なの。進学先がいいところに
なるのは当たり前でしょ?
もっと何か、リアクションないの?
凄いとか、さすがお姉ちゃんとか。
どうしてこの程度の事も
言えないかなぁ?」
ケージの中を見おろして、
姉はにやにやしながら言った。
私は何も言えず、ずっと黙っていた。
つまらなそうな舌打ちが聞こえた。
マヤ「頭が悪い妹とじゃ、
レベルが違い過ぎて
会話もできないわぁ。
もういい、バカを相手にしてる
暇はないのよね」
姉はさっさとケージを離れて、
旅行バッグを手に取った。
両親と姉が、楽しそうに
笑って遠ざかる。
母は、私にまともな食事どころか、
ドッグフードの用意さえ
してくれなかった。
家族は3泊4日で東京へ行く。
その間、私は飲まず食わず。
耐えられるだろうか?
全員が家を空けた翌日、
私は、密閉された室内の暑さと空腹、
喉の渇きで、ついに
ひん死状態となった。
このままでは、とても
家族の帰宅までは持たない。
そう直感した時、
私は強い恐怖感に襲われた。
嫌だ、こんな人生のままで
終わるのは絶対に嫌だ!