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【第4話】天才の姉だけ溺愛する両親→発達障害の私は犬小屋に放置され…
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 マヤ「お母さん! 今日ね、塾でミニテストがあったの。 私、何位だったと思う?」 母「そんなの一位に 決まってるでしょう、マヤちゃん」 マヤ「当ったりー! 満点で一位だったよぉ」 父「...
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【第1話】天才の姉だけ溺愛する両親→発達障害の私は犬小屋に放置され…
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本編
マヤ「こんな妹がいるとか、
恥ずかしくて、言えないよ。
どっか行っちゃえばいいのにね」
母「そうしたいのは、やまやまよ。
社会のルールがあるからね、
出来ないの。仕方がないから、
飼ってあげてる」
マヤ「飼って貰えて良かったねー?
でもさ、遠慮しないで消えてくれても
いいんだよ?永遠に」
姉が言うと、母は大声で笑った。
言われなくても、永遠に消えたい。
出来るものならそうしたい。
私は、唇をかみしめて、うなだれた。
マヤ「ちょっと、悲劇のヒロイン
ぶるのは止めてくれない?
ご飯が美味しくなくなるじゃん。
せっかく、お母さんがごちそう
作ってくれてるのにさぁ。
泣くならそこの犬小屋に入って、
好きなだけ泣けば?あ、声は
出さないでね、聞きたくないから」
姉は私に向かって、ケージの中に
ある犬小屋へ入れと言う。
元々は、ちゃんとした
部屋があったのだけど、姉が
マヤ「こいつと一緒にいたくない!
ていうか、こんな頭悪いやつに、
部屋なんか贅沢よ贅沢。
犬小屋でいいんじゃない?」
と両親に言い、二人とも真に受けた。
次の日にはケージと犬小屋が
用意されて、私はそこへ入れと
命令されたのだ。
全てはマヤのため。マヤがもっと
成績優秀、スポーツ万能、その他
マルチ才能を発揮できるように。
目障りなグズの妹は、
犬小屋で縮こまって生活しろ。
それが両親の方針だった。
こんな風になって、
もうかれこれ2年近くが経つ。
食事も、家族とは別だ。
大抵はみんなの食べ残し、
時々はドッグフードが与えられる。