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本編
スカオ「後から警察で調べる事に
なるかもしれませんので、
手の平部分には触らないで下さいね。
触るのは手の甲だけでお願いします」
私はそう言って、駅員さん達の方から
順番に、1人ずつ義手の手の甲に
触ってもらうと、皆はそれぞれ
思い思いに、指でつついたり、
つまんだり撫でたりしながら、
驚きの声を上げたのだった。
駅員「わっ!!ホントだ……
義手だ……」
駅員「…………うわ……凄い……」
高校生「え、俺もいいんすか?………
うわーーっ!!…スッゲェ……」
高校生「わぁ〜…マジか…これが
作り物…?あっ!すみません!!」
スカオ「いいんだよ。驚くよね。
これが日本の義肢装具士さんの
技術なんです」
眼鏡の女性「………ス、
スゴイですね………」
義手を囲んで和気藹々としている中、
香水女はこっそり後ずさりし、
踵を返して逃げ出そうとした。
ところが高校生達が流石の反射神経で
反応し、両手を広げたディフェンスで
逃亡を阻むと、香水女がわめきながら
殴りかかろうとしたので、
駅員さん達が取り押さえた。
駅員「逃げちゃダメですよ!
●力もダメです!そんな事すると、
罪がどんどん重くなりますよ!」
香水女「わ、分かった、
分かったから!!
もう逃げないから放してよ!!」
スカオ「無駄な抵抗ですよ。
大人しく罪を認めて下さい」
香水女「…………あっ!そうよっ!
左手よっ!!私、ショックのあまり
気が動転してて、
左右が逆になっちゃったんだわ!
単純な勘違いよ!!
アイツは左手で私を触ったの!!
今度こそ間違いないわ!!」
(この段になって突然右手から
左手に変更って……そりゃあ、
いくらなんでも無理だろ……)
呆れてモノが言えなかった。
眼鏡の女性「いえ…そんなはず
ありません。私、お二人の前の席に
座ってましたもん。この男性は、
女性の左側に立っていましたし、
左手はつり革に掴まってました。
これは確かです」
香水女「ちょっとアンタ!!
余計なこと言うんじゃないわよ!!
助けるって約束したのに!!
この裏切り者っ!!」
眼鏡の女性「私、あなたを助ける
なんて約束してません!
人助けだと思って、本当の事を
証言しに来ただけです!」