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本編
私の頭の中には、
浮気の2文字が浮かんだ。
(もしかして…子犬を
飼ってる女と浮気してるの…?)
だが、その考えはすぐに消えた。
もしも浮気をしてるなら、
毎日毎日あんな早い時間に
帰宅するはずがない。
マサト「し、職場に行く途中の家に
いるんだよ、子犬が…
最近飼い始めたみたいで…
可愛くて…そいつの毛だよ!」
スカコ「え?マサト、犬好き
だったっけ?そんなの、
今まで聞いた事なかったけど…」
マサト「いや、好きだよ!
前はそうでもなかったけどさ、
最近好きになったんだ!
というか、その子犬がすっごく
可愛くてさ、一目惚れっていうか…
ビビッときちゃったんだよ!
だからその…毎日会社帰りに、
撫でたり遊んだりしてるんだよ!
そのせいで服に毛が付いちゃったん
だよ!アハ、アハハハハ!」
スカコ「ん〜…犬と遊んで、服に毛が
付くのは分かるけど…それであんな…
お風呂に毛が浮くの…?」
マサト「それは…服を脱いだ時に、
手とか足とか、体とかにも
付いちゃったんじゃないの?それで、
そのまま湯船に浸かっちゃって、
毛が入ったんじゃないの?
きっとそうだよ!」
スカコ「えっ…?もしかしてマサト…
湯船に浸かる前にかけ湯とか
してないの…?」
マサト「え?してないけど?
いつもそのままジャブーン!
って入ってるけど?」
スカコ「ちょっとーーっ!!
後から私も入るんだから!
軽く体を洗ってから入ってよー!!
少なくとも、かけ湯をしてから
入るのは常識でしょ!?
銭湯や温泉だってそうでしょ!?」
マサト「えーっ…そんな常識、
聞いた事ないよー?
スカコの実家だけじゃないのー?」
スカコ「そんなわけないでしょ!!
日本人はみんなそうやって
お風呂に入ってるよ!!
一人暮らしなら構わないけど…
後から家族が入るんだから、
少しは気を使ってよ!!」
(今まで、マサトの毛をすくって、
そのままのお湯に浸かった事も
あったのに…
まさか…お風呂の入り方まで、
一から説明しなきゃならないなんて…
もう、信じられない!!)