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本編
香水女「ハッタリかましてんじゃ
ないわよ!!防犯カメラなんて
どこにも無いじゃないの!!
いい加減なこと言って…
そんなんで誤魔化されないわよ!
アンタは私に触ったの!!
私が言うんだから、
これが真実なのよ!!」
そうこうしていると、間もなく次の駅
だという車内アナウンスが響いた。
電車は駅のホームに滑り込み、
私は降りる時の混雑でうっかり
香水女に触ってしまわないよう、
腕を組んで手をガードしながら、
注意して移動した。
高校生達、私、香水女、眼鏡の
女性の全員がホームに降りると、
連れ立って改札へと向かった。
エスカレーターを降り、
改札が見えたところで、早速、
香水女の芝居が始まった。
香水女「駅員さ〜ん!この人に
チカンされたんです〜!
すぐ警察呼んで下さい〜!」
甘えた声を上げながら改札口の
駅員さんに駆け寄ると、香水女は
振り返り、私の方を指さした。
改札口の駅員さんが、
何やら奥に向かって声をかけると、
すぐに改札横の事務室の扉が開き、
中から駅員さんが数名、
慌てた様子で出て来たのだった。
スカオ「私はやっていません。
すぐに電車内の防犯カメラを
確認頂けますでしょうか?
乗っていた車両を言いますので、
メモをお願いします。
今出た下り電車の、前から3両目。
進行方向左手の、2番目と
3番目のドアの間です」
電車を降りた時に確認しておいた
場所を告げると、駅員さんは
慌ててメモを取っていた。
香水女はギョッとして私を見ると、
甘えた声を忘れ、さっき電車の中で
私を脅した地声に戻って叫んだ。
香水女「ちょっと!!
電車の中に防犯カメラなんて
付いてなかったわよ!!
私、確認したんだから!!
時間稼ぎしてんじゃないわよ!!」
スカオ「車両の防犯カメラは、
蛍光灯と一体型になっていたり、
ドアの上のパネルに埋め込まれて
いたり、分かりにくいものも
有るんですよ。
さてさて…私達が乗っていた
車両には、どこに設置されていた
でしょうねぇ…?」