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本編
香水女「だーかーらー!
このままだと、アンタは社会的な
信用をぜ〜んぶ失っちゃうの!
会社からも、家族からも、
見捨てられちゃうのよ?
結婚指輪してるんだから、
奥さんいるんでしょ?
子供だっているんじゃないの?」
チカンで警察に捕まった
なんて事になったらどうなると思う?
慰謝料さえ払えば、警察に
通報しないであげるって言ってんの!
ほんと物分かりが悪いんだから…
50万払うほうが得なのよ?」
スカオ「そう仰るんなら、
警察を呼びましょう。ですが
そうなると、私の方からは、
チカン冤罪案件として対応することに
なりますが、構いませんか?」
香水女「ハッ!偉そうなこと
言っちゃって!……いいわよ!
次の駅で降りましょ!後で泣く事に
なっても知らないからねっ!!」
固唾を吞んで見守っていた
周囲の人達からは、私に対して
同情的な雰囲気が感じられた。
そこで私は思いきって
要請をしてみる事にした。
スカオ「皆さん、お疲れのところ
申し訳ありませんが、どなたか
駅員さんの所まで一緒に来て下さる方
はいらっしゃいませんでしょうか?
私にも、この女性にも、
有利な証言をして頂く必要は
ありません。ただ、ここで見て、
聞かれた事を、ありのまま話して
下さるだけで結構ですので」
車内は一瞬シ〜ンとなったが、
ドアの所にいた高校の部活帰りらしき
制服姿の2人組が手を上げてくれた。
高校生「あの〜。俺らどうせ
次の駅で降りるんで、少しだったら
構いませんよ?
こっから見た事、聞いた事だけ
証言すればいいんすよね?」
スカオ「はい。ありがとう
ございます。助かります」
香水女「はぁ〜?アンタ達!
男同士で助け合うつもりでしょ!!
そうはさせないわよ!
……ちょっとあなた!!一緒に来て、
私を助けてちょうだい!!」
眼鏡の女性「え…なんで私…?」
私の真正面に座っていたばっかりに、
眼鏡の女性は一度ならず二度までも、
香水女から「助けろ」と
一方的に指名され、
益々困り顔になっていった…