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本編
スカミ「また病院に行ったんです
けど、内科ではまた原因が分からなく
て、今度は心療内科を勧められて…」
お母さん「心療内科…!?」
スカミ「はい…。心療内科で、
ストレスからくる『自律神経失調症』
だと診断されました…」
お母さん「自律神経失調症…」
スカミ「それで、会社にも報告を
して、体調が回復するまで、
しばらく休職することになりました」
お母さん「え……そうなの……?」
スカミ「最初に体調不良が始まった
時期を考えると、借金のことと、
それを隠してた事が主な原因かと…」
お母さん「ほんと……
どこまで馬鹿なのかしら……」
お母さんはまた泣き始めた。
私は(分かる分かる!)と、
共感と、同情心を抱いていた。
私はしばらく黙って、
お母さんが落ち着くのを待った。
やがて少し落ち着きを取り戻した
お母さんは、私に意外な頼み事を
してきたのだった。
お母さん「あの…スカミさん…。
ちょっとお願いなんだけど…。
私が借金の事を知ったって、
ツバサには言わないで欲しいの…」
スカミ「え…?どうしてですか?」
お母さん「この期に及んで、
何を甘いことをって思われるかも
しれないけど、親元を、最後の
逃げ場所として残しておいて
やりたいのよ…」
(最後の逃げ場所…。
恋人の私は、最後の逃げ場所に
なれないってこと…?
確かに…恋人は別れたら他人だけど、
親はどんな事があっても
親だもんね…。でも…
これってそんな問題なのかな…。
ちょっと違うと思うんだけど…)
スカミ「お母さんのお気持ちも
分かります。でも私…
生意気ですけど、それは
違うんじゃないかと思います。
ツバサも、『親に心配かけたく
ないから連絡しないでくれ』
って言ってましたけど…。
『親に心配かけたくない』
から、心配かけるような事はしない
ってことなら正しいですけど、
『親に心配かけたくない』から、
心配かけるような事をしでかしたのに
隠しておくっていうのは…。
ツバサ自身を益々窮地に
追い込むだけだと思うんです。
今回の事がいい例です」
お母さん「………………」