ひとつ前の話はこちら▼
1話から読みたい方はこちら▼
本編
私のお給料、手取りで13万ちょっと
だけど…。少しなら貯金も有るし、
これならどうにかなりそう…。
ツバサがいくら持っているのか確認
したところ、預金通帳には815円…。
お財布には7円しか入って
いなかった…。
(25歳、会社員、所持金7円…。
預金も合わせた全財産、822円て…)
期待はしていなかったとは言え…。
あまりの惨状に、
乾いた笑いしか出てこなかった…。
スカミ「一緒に頑張ろ!!
頑張ればなんとかなるから!!
ツバサはまず体調を治さないとね!!
まずは元気にならないと
始まらないからね!!」
ツバサ「うん…頑張る…。
元気になるよ…」
スカミ「とりあえず、急ぎの対応は
私に任せて!この預金通帳と
財布は一旦預かるね!
通帳はこの一冊だけ?
他にも有るなら渡してくれる?」
ツバサ「別の銀行口座も有ったん
だけど…そっちは解約したから…。
今はもうその一冊だけ…」
スカミ「そっか…。じゃあ後は…
カード類かな…。クレジットカード
とか消費者金融のカードって、財布に
入ってるもの以外にも有るの?」
ツバサ「いや、財布に入ってるので
全部…」
スカミ「分かった。……じゃあ明日、
一件一件対応していくから!」
その日の夕飯は簡単に
うどんすきにした。
(体も温まるし野菜も取れる。
うどんなら、ツバサも
少しは食べられるだろう…)
肉や野菜を準備している間も、
お金の事が頭から離れなかった。
私は、普段使っている“通常口座”の
他にあと2つ、口座を持っていた。
何か有った時の為に、毎月少しずつ
積み立てている“非常用口座”と、
非常用口座にある程度溜まるごとに
移動させている、
“存在しないものとする口座”だ。
ツバサの借金返済の為には、
“存在しないものとする口座”の方は、
本当に存在しなくなる可能性が
濃厚だった…。
食後、通帳とにらめっこする私を
見て、ツバサは申し訳なさそうに
言い出した。