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本編
アスカ「えっ!?今からですか!?
いや……もう寝てたので……
今からというのはちょっと……」
園長「そうですよね…。
私もそう申し上げたんですけど、
一応聞いて欲しいとおっしゃって…。
分かりました。
明日にしてもらいましょう。
明日なら大丈夫ですよね?」
アスカ「はい…。
明日なら大丈夫です」
(本当は会いたくないけど…。
避けては通れないもんね…。
明日ならケンタも家に居るから、
夜勤明けで申し訳ないけど
一緒に頑張るしかないな…)
電話を終え、しばらくリビングで
明日の事をぼんやり考えていると、
タクミがトイレに起きて来た。
トイレから出てきた後、なかなか
ベッドに戻ろうとしないので、
(あれ?トイレ失敗しちゃったの
かな?)と思い、「どうしたの?」と
聞くと、突然ポロポロと泣き出した。
アスカ「えっ…。タッくん…
どうしたの…?」
タクミ「ママ、今日幼稚園で
泣いてたでしょ?タッくんのせい?
タッくんが悪い子だったから、
ママ泣いちゃったの?」
アスカ「そうじゃないよ!タッくん
何も悪くないよ!タッくんは
今日もとっても良い子だったよ!
今日、ハルくん怪我しちゃった
でしょ?だからママ悲しくて、
ちょっと泣いちゃったの。
心配させちゃってゴメンね…。
大丈夫だよ…。ゴメンゴメン…」
そう言って抱きしめながら
背中を撫でていると、
やがてタクミは「うん…」と言って、
納得してくれたようだった。
ベッドに戻って添い寝すると、
すぐに寝てくれたが、幼稚園で
幼いながらに変な空気を感じていて、
でもその時は何も言えず、
不安な気持ちのまま黙って
我慢をしていたのかと思うと、
胸が締め付けられた。
申し訳なくて、可哀想で、
また涙が出てきてしまった。
(ゴメンね…。ママ、
もっともっと強くならなきゃね!)
タクミの寝顔を見ながら、
明日は頑張ろう!と、
改めて決意したのだった。