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本編
そしてある日の外出先で、実際の
生活水準よりもよく見せようと、
必死で取り繕う嫁の姿を見て、
(こんなの間違ってる。
みっともない。このままでは自分も
やがてこんな風になってしまう…)
と、恐ろしくなったというのだ。
娘「小さい頃、学校の宿題で
パパの会社に行ったの覚えてる?
お掃除してたら、あの時の写真が
出てきて…私、パパのお仕事も、
仕事してるパパも大好きだった、
作業着を着たパパがカッコよくて
大好きだったんだ、って…」
俺「ありがとう。思い出してくれて」
娘「パパに酷いことを言っちゃった、
パパを傷つけちゃった、取り返しの
つかないことをしでかしてしまった、
そう気が付いて…」
娘がまた涙を零し始めた。
A子「まだ子供だもの。
しかも洗脳状態にあったの。
あなたは悪くないわ」
俺も、微笑みながら大きく頷き
(その通りだよ)と娘に伝えた。
娘「ずっとパパに謝りたかったん
だけど…勇気が出なくて……。
前ママがパパにしつこく電話して、
会いに行って、パパはすごく
迷惑だったと思うけど、
こうやって私がパパに会って
謝ることが出来たのは、
ママのお陰でもあるって思ってる」
そう考えると“元嫁の接触禁止破り”
も、全くの無駄ではなかったのかも
しれないな…
娘「パパ、あの時は本当に
ごめんなさい。謝るのが
遅くなったことも、ごめんなさい」
俺「わかったよ。あの時は
パパも本当にツラかったし、
悲しかったけど、さっきA子が
言ったように、娘ちゃんはまだ
子供で、母親からの洗脳状態に
あったんだ。娘ちゃんは悪くない。
ただ、これからの人生は、人から
何を言われても、自分で考えて、
正しい判断をしていかなければ
ならない。分かるね?」
娘「はい」
俺「それから…パパも、娘ちゃんに
きちんと謝らないといけない…」