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本編
さて、彼女のおかげで
すっかり気分リフレッシュ。
おれも機嫌よく出勤した。
今日のスケジュールを確認し、朝礼、
チームミーティングと、順調に
午前中のルーティンをこなす。
待ちに待った昼休憩、今日は
マユ特製のランチを持参している。
トマトジュースと合わせて、
美味しくいただきますかね。
なんて思って、
冷蔵庫を開けたら、気分は一転した。
予想外の事態に、一瞬フリーズ。
いや一瞬どころじゃない、
かなりフリーズした。
無い!
俺のトマトジュースが無い!
ボトルもろとも、しかも手つかず
2本までまとめて、きれいに無い!
どういうこっちゃ!?
社内で備品が無くなるという話が、
ちらっと頭をかすめた。
まさか、個人の持ち物にまで、
ドロボーが手を出したというのか?
だとしたら、総務課のナオトが
気の毒だなんて、他人事みたいな
態度ではいられない。
同僚「あれ、どうした?」
ランチに来た同僚に声をかけられて、
俺は再起動した。冷蔵庫を指さし
スカ太郎「トマトジュースが
無くなってる。昨日までは
間違いなくあったんだ。
おまえ、見てない?」
話を聞いてみた。
同僚は知らないと言い、首も振った。
同僚「飲んじゃったんじゃなくて?」
スカ太郎「あれは入手困難な、
俺のとっておきだ。しかも飲みかけと
手つかず、合計3本がまるっと無い。
そんなに一気に飲まないって」
同僚「いやー、俺は見てないなぁ。
悪いけど」
スカ太郎「どういう事だよ」
必死に探したが、無いものは無い。
その後もランチに来る同僚や先輩や、
果ては課長にまで聞いたが、
誰も見ていないと言う。
なんてこったよ、ちくしょう。
もう、がっかりなんてものじゃない。
マユ特製ランチを食べても、
テンションはちっとも上がらない。
美味しいけど。
かなりショックな気分で、
俺は席に戻った。
午後の仕事が始まる。
いつまでも引きずってはいられない
ので、無理やりに気分を切り替えて、
俺はパソコンに向かった。
とはいえ、やっぱり頭の中には
「どこへ行った?何で無い?」と、
ジュースの行方に対する疑問が
居座っているが。