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本編

そんな彼女が、

入場直前の私を

呼び止めた。

 

 

何か、理由があったに

違いない。

 

 

スカミ「はい?」

ミミ「今まで、

光の加減かなと

思っていたんですが、

 

 

やっぱりちょっと

お直しをして

差し上げた方が良いと

思います。

 

 

すぐ終わりますから、

そのまま」

スカミ「そうですか、

お願いします」

 

 

プロがそう言うのだから、

ほんの少しだけ、

手直しした方が

 

 

いいのだろうと、

私はごく単純に考えた。

 

 

ミミは道具を取り出し、

あっというまに

メイクの修正をした。

 

 

何をされたのか。

この段階では、

私には知る由もなかった。

 

 

ミミ「お待たせしました、

さあご入場を」

 

 

ミミは、最後に

花嫁のヴェールを

深く被せて来た。

 

 

この教会での結婚式では、

入場前の花嫁の顔は

白いヴェールに覆われる。

 

 

新郎と向かい合い、

指輪交換の段階になって、

初めてお披露目となる

段取りだ。