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本編
なんちゃって。
ほんとは、メイコが通報係を
してくれたんだけどね。
任侠団体のトップを父親に持つ私は、
この事情のせいで、
なかなか友達が作れなかった。
彼氏なんてもってのほか。
ただ一人、メイコだけは
私の事情を知ったうえで、
ずっと友達でいてくれた。
父も彼女を知ってるし、
組のみんなも「お嬢の大事なお友達」
と認識して、礼儀正しく
ふるまっている。
だから、私が自称スカマル組・
組長の息子とお店の人の間に
割って入り、時間を稼ぐ。
メイコは父に連絡する。
手分けしたのだ。
ついでに種明かしすると、
居酒屋に来る前に対策したというのは、
若い衆を店の周囲に待機させたって事。
何かあったらすぐ助けが来るように。
出ないと外出許可が出ないもんで。
父まで一緒になって待機していたとは、
ちょっと想定外だったけど。
変なところで親ばかを
発揮したものだから、
父は自分の成り済ましを、
自分の手で成敗する事になった。