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【第8話】妊娠中電車で仲良くなった女性→後日とんでもない事態に…
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本編
まさか。私に近づくために、
妊娠経験があるとか言ってたの?
何のために?
ちょっと混乱してしまった。
これ、本人に聞いた方が
いいのだろうか。
それとも、そっとフェードアウト
した方がいいのかな?
夫に相談してみた。
けれど、全然相手に
してもらえなかった。
スカコ夫「考えすぎだって。
昔の自分を思い出して、
つい触っただけだろう」
スカコ「そうかなぁ。
じゃ、お子さんの話が
全然出てこないのは?」
スカコ夫「それは本人に
聞かないと分からないよ。
まぁ、考えられるとしたら、
お子さんは健康に問題が
あるとか?」
夫の指摘に、
私は「なるほど」と思った。
失礼な勘ぐりかもしれないけれど、
何らかの健康的な問題がある
お子さんで、ミカコは
話したくないのかもしれない。
スカコ夫「まだそうだと
決まったわけじゃないけれど、
そのミカコさん?
ミカコさんなりに、
スカコを心配してくれている
のかもしれないよ。
自分が妊婦だった時の
体の状態と、スカコの状態を
比べて、妊娠に異常が
無いかをチェックしてくれて
いる可能性もある」
スカコ「ああ、うん」
うちの夫は、けっこう人がいい。
何事もいい方へと解釈する、
根っからの善人だ。
そこが良くて結婚したのだし、
彼のそういう考えというか
考察に、私はある意味で
救われた気がした。