前回の内容はこちら▼
【第32話】結婚式当日…幸せを一瞬でぶっ潰した娘→式場が炎に包まれる衝撃の展開に
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 (え…!?まだお客様が 到着されるには早いのに… だいたい、こんな所まで 車が入ってくる事なんて、 ありえないのに…?!) 番頭さんが慌てて車の方へ 行く様子を見守っていると、 車の...
1話から読みたい方はこちら▼
【第1話】結婚式当日…幸せを一瞬でぶっ潰した娘→式場が炎に包まれる衝撃の展開に
こちらもおすすめ 本編 私はアスカ。33歳、 シングルマザー。 結婚式の当日に、 実の娘に式を潰された…… 娘の名前はリン。前夫との娘で、 現在中学2年生の13歳だ。 リンを身ごもった時、 私はまだ大学1年生だった… 授かり婚で結ばれた前夫...
本編
燃え盛る炎は、木造数寄屋造りの
建物に、あっと言う間に
広がっていったが、
幸運にも新しいお客様が
到着される前の時間帯だった為、
建物の中にいたお客様は、
連泊中の数名だけで、1人の死者も、
怪我人さえも出さずに済んだ。
社長を含め、スタッフも
全員無事に逃げ出す事が出来た。
道路を挟んで向かい側の駐車場に
避難して、恐ろしさと寒さに震え、
互いに身を寄せ合いながら、
燃え上がる旅館の姿を、
ただ呆然と眺めていたのだった……
リンは中学校のクラブ活動中に
火事の事を知り、慌てて帰って来た。
全員の無事を知ると、
「良かった…良かった…」と
言いながら、泣きじゃくっていた。
地元の消防団と消防車による
必死の消火活動のお陰で、
近隣への延焼は食い止められた
ものの、旅館は全焼。
何代にも渡って受け継がれてきた
書画や骨董などの貴重な品々も、
全て焼失してしまった。
オーナーご夫婦は気丈にも、
宿泊予定だったお客様の
受け入れ先の手配など、
様々な緊急の処理に奔走していたが、
火が消し止められた後、燃え残った
残骸の前で泣き崩れていた。
その小さな後ろ姿を、
私は忘れる事が出来ない…
複数の従業員の証言と、
周辺の防犯カメラの映像のお陰で、
マサキさんは間もなく逮捕された。