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【第20話】娘の初めての生理で嫁が作った赤飯が何かおかしい→こっそりと入れ替えた結果…
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本編
アユミに食物アレルギーはあるか、
何時ごろ何を食べたのか、俺と
リコも一緒に食事をしていたのか、
食事の後どれくらいで症状が
出始めたかなど、
様々な質問を受けた。
俺は恐怖を感じながら、
問われるままに1つ1つ
正直に答えていった。
そして、アユミだけ食べた物は
有るかという質問に対し、
赤飯の話をした。
すると医師は、
「原因を探る為に、そのお赤飯を
持ってきてもらえませんか?」
と言ってきた。
俺は「分かりました。俺も、
原因を突き止めて頂きたいです」
と答えた。
リコはしばらく実家で預かってもらう
事にして、一旦タクシーで家に戻った
俺達は、それぞれ準備を整えた。
俺はアユミの入院に必要な物を揃え、
リコは実家から学校に通えるように、
勉強道具と着替えなどを、
母に手伝ってもらいながら旅行用の
キャリーバッグに詰めていた。
2人を送り出したあと、
俺はダイニングに入り、食事の
途中だったテーブルを見下ろした。
信じられないような思いで
深い溜息をついたあと、懸案の赤飯を
タッパーに詰める事にした。
まずはテーブルの上のアユミの茶碗に
残された赤飯をタッパーに詰め、
「茶碗」と書いた付箋を貼り付けた。
そして別のタッパーを手に、
保温状態のままだった
炊飯器に向かった。
蓋を開けると、顔に暖かい
湯気が当たるのを感じた。
その瞬間、ビニール手袋をつけた
手を伸ばし、顔を背けながら
赤飯をよそっていた
アユミの姿を思い出した。
(ヤバイ!!)と思った途端、
目がピリピリと痛み始めた。
俺は慌てて炊飯器の蓋を閉めると、
急いでシンクに向かい、
流水で目を洗った。
充分に流したものの、目には
かすかなピリピリ感が残っていた。