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本編
(あれって……たぶん母さんが、
「あんまり美味しくないのよ」
と言っていた、
『すぐに炊ける赤飯の素』
じゃないのか…?
そうだよな……アユミは
普段あまり料理をしないのに、
1から手作りは無理だよな……
いや、別に悪く無いよ?
悪くは無いんだけどさぁ〜……
あんなに赤飯に拘ってたくせに??
なんで意地でも赤飯を
作ろうとしたのか、
ますます分からないんだけど!!)
俺はモヤモヤを募らせながらも顔には
出さず、リビングで待つ事にした。
2階から降りてきたリコは、
わざわざお祝いされる事を
恥ずかしがっているようだったが、
それでも、アユミが準備してくれた
好物のおかずと、俺が買ってきた
ケーキの箱を見ると、
嬉しそうな顔を見せてくれた。
早くもアユミと俺に礼を言いながら、
ご馳走にワクワクしている
リコの姿を見ていると、
俺は改めて、これまでの
リコの成長を思い、
胸がいっぱいになるのだった……
ところが、そこでまた、アユミが
おかしな事を言い出したのだ。
すぐそばのキッチンの炊飯器に、
自分が炊いた熱々の赤飯が有るにも
関わらず、アユミはなぜか、
俺が実家で受け取ってきた、
母が炊いた方の赤飯を食べると
言い出したのだ。
アユミ「リコちゃんには、
私が炊いたお赤飯を食べて
もらいたいけど、お義母さんも、
せっかく炊いて下さったんだし、
私とスカオは、
お義母さんの方を頂きましょうよ!」
スカオ「え…?いや…
そんなに気を遣わなくてもいいよ?
母さんの赤飯は冷めちゃってるし、
俺達も一緒に、アユミが炊いてくれた
熱々の赤飯を食べようよ!」
アユミ「そんな訳には
いかないわよ!!せっかくの
ご厚意なんだから!!!
私とスカオは、お義母さんのを
頂きましょうよ!!!
私が作ったお赤飯は、
リコちゃんが好きなだけ
食べてくれればいいから!!!」
スカオ「…………」