前回の内容はこちら▼
1話から読みたい方はこちら▼
本編
男性「そ、そうですけど…
それとこれとは話が……」
スカコ「同じですよ!!ここで
出会ったのも何かの縁でしょ?
あなたが私を助けると言うなら、
私にだって、あなたを
助けさせて下さいよ!!」
男性「そ、そんなこと言ったって…」
スカコ「そもそも、あなたが
ここへ来なければ、
私はもうとっくに●んでましたよ。
あなただってそうでしょ?お互い、
思いがけず延ばされた命なんだから、
好きに使いましょうよ!!」
私はもう何だか、
少し面白くなってしまっていた。
自●しようとしていたせいで、
まだ興奮状態にあるのか、●にたい
という感情は消えてはいないものの、
それよりも、この奇妙な状況に
ワクワクするような気持ちの方が
強くなってしまっていたのだった…
それから私達は、近くにあった
公園に場所を移した。
人気の少ない公園のベンチに座り、
お互いに自●にまで追い込まれた
これまでの経緯について語り合った。
男性は名前を
『カズナリ』と名乗った。
5年前、社長だったお父さんが
病気で急逝し、当時まだ
25歳だったカズナリさんが、急遽
社長を引き継ぐ事になったそうだ。
ところが、いずれは会社を継ぐつもり
で色々と勉強はしていたものの、
やはり、いきなり会社を
経営するのには無理があったそうで、
不況の影響で元々あまり好調では
なかった業績はどんどん下落し、
ついに倒産する事に
なってしまったらしい…
私も、今日に至る出来事を、
何もかもカズナリさんに
話して聞かせた。
これまで誰にも言えなかった
胸の内を聞いてもらい、
共感してもらえるだけで、
こんなにも気持ちが楽に
なるものなのかと、
とても不思議に思った事を、
今でもハッキリ覚えている。
気付けばお昼もとっくに過ぎており、
私達は初めて、自分達が
空腹だった事に気が付いた。
(つい数時間前まで
●ぬつもりだったから…
それどころじゃなかったもんな…)