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【第32話】結婚式当日、仮病の浮気相手を優先する夫
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 「お邪魔しま〜す」と入って来た 買取業者の男性2人に、私は 買い取り希望の物を告げていった。 スカミ「まずこのキッチンの… 冷蔵庫、炊飯器、電子レンジ… あと、このダイニングテーブル...
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【第1話】結婚式当日、仮病の浮気相手を優先する夫
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本編
ショウタ「えっ……
ちょ、ちょっと待ってくれよ…!!
急にそんなこと言われたって…
俺、どうすりゃいいのか……」
その時、私の目は、ショウタの
泣き出しそうな顔よりも、
残しておくと言ったリビングの
テーブルの上に並べられた、
色鮮やかな料理に釘付けだった…
(あれは…きっとミスズが
用意した料理ね……
綺麗だし、美味しそうだけど…
デパ地下で見たことある感じだな〜!
きっと全部買ってきたのね…
サラダくらい作ればいいのに…)
スカミ「綺麗なルッコラね……」
思わず呟いてしまった私の言葉を
聞いたミスズが、ここぞとばかりに、
イヤミたっぷりに口を挟んできた。
ミスズ「さすが〜!お料理が自慢の
スカミさん、気になっちゃいます〜?
ルッコラ、私の得意料理なんで
時々作るんですよぉ〜!
でも…今日こそは、スカミさん
みたいに茶色いお料理を
作ってみたかったのになぁ〜……
ミスズが作ると、どうしてもカラフル
になっちゃうんですよねぇ〜…」
「困ったなぁ〜…」と言う感じで、
頬に手を付けてポーズを取った
ミスズだったが、
横で作業中だった買取業者の
男の子が、思わず「ブッ…!!」と
吹き出した。
ミスズ「な、何よ〜!!
何がおかしいのよ〜!!」
スカミ「ルッコラって言うのはね…
この生ハムのサラダに入ってる、
緑の葉っぱの名前よ?
お料理の名前じゃないの」
私がそっと教えると、
ミスズは耳を赤くして、何やら
ゴニョゴニョと言い訳をしていたが、
もう私には哀れに思えるだけで、
腹も立たなかったし、
心底どうでもよく思えた。