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【第30話】癌と診断され、夫に見捨てられた私…
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 以前の自分なら、喜んで受け入れて いたかも知れないが… 今の私には、ヘドが出るような 言葉だった…… (私を裏切り、死を望む程の 地獄に突き落としたくせに… あれほどの出来事も、ノブ...
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【第1話】癌と診断され、夫に見捨てられた私…
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本編
コウタさんは優しく私の手を握り、
自然にその場を離れようとした。
するとノブアキはコウタさんの肩を
掴んで無理矢理引き留め、睨みつけ
ながら絡んできたのだった…
ノブアキ「ちょっとアンタ!!
人の会話に割り込むんじゃねぇよ!!
俺とスカコはまだ
話の途中なんだよ!!」
スカコ「いや、もう話は終わったし!
と言うか、話なんて
そもそも無いし!」
コウタ「スカコは
こう言ってますけど?
嫌がっているスカコを無理やり
話に付き合わせるのはやめて下さい」
ノブアキ「つかアンタ、誰なんだよ!
俺はスカコの元旦那!!切っても
切れない深い仲なんだよ!!」
コウタ「いや…縁が切れたから
別れたんじゃないですか…?俺は今、
スカコさんと婚約している者です。
過去の人はもうお呼びじゃないん
ですよ。分かりますか?」
ノブアキ「過去の人だぁ…?
昨日今日現れたポッと出が!!
俺とスカコの絆の強さも散らない
くせに、笑わせんじゃねぜぞ!!」
ノブアキは激昂し、
コウタさんに殴りかかろうとした。
しかし、空手有段者のコウタさんに
とっては、ノブアキなど赤子同然…
手を払い、軽く身を翻しただけで、
ノブアキは飛びかかった
勢いそのままに前につんのめり、
飾ってあった大きな観葉植物に、
頭から突っ込んで行ったのだった……
ガッシャーーーン!!!という
大きな音の後に、静寂が訪れた…
と、次の瞬間、
なぜか周囲から、「おぉ〜っ!!」
と言う歓声のようなものが上がった。
周りを見回すと、
目元を緩めてこちらを見ている人達…
拍手をしているお爺さんまでいる……