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本編
スカオ「ああ、それで叔父さんの
家ががら空きになるんだ」
叔父「そういうことだ。
うちは娘を遠方に嫁がせて、
他に管理を頼めるのがいない。」
叔父「業者に頼んでもいいんだが、
やっぱり持ち家っていうのは
特別なんだよ。いくら業者とはいえ、
知らない他人に頼むくらいなら、
いっそのこと身内に
頼もうかと思ってな」
スカオ「人が住まない家は
荒れるっていうもんな」
叔父「そうなんだ。
大がかりな管理はしなくてもいい、
普通に住んでくれれば。
期間は3年だ。
職場から遠くなるかもしれないが」
スカオ「いやぁ、
そこまで遠くはならないと思うよ」
夢の一戸建て!
長年マンション暮らしだった俺は、
庭付きの家に住んでみたい
という思いを持っていた。
まぁその、いずれはな。
嫁さんを迎えて、
それなりの年収になればな。
せめて中古でもいい。
一軒家に住むのを夢に描いている。
しかし、叔父さんの家は、
はっきり言ってでかい。
俺みたいな普通のリーマンじゃあ、
一生住める気がしないくらいでかい。
この際は、寂しい独身男の身分では
あっても、一生に一回あるかないかの
大チャンス。ぜひとも乗っかりたい。
なんていう野望が俺にもあった。
野望と呼ぶにはささやかだけど。
そんなわけで、俺は大いに
乗り気になって、3年留守になる
叔父宅をなんと「家賃なし」で
借りられる話に飛びついたのだった。