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【第8話】婚約者の彼と高級レストランへ→入店後すぐに伝票が渡され…
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 深刻な表情のイリエさんが、 熱弁しながら少しずつ にじり寄ってきたので、 私はちょっと怖くなり、 少しずつ横にズレて距離を保った。 (今日初めて会った人から、 突然そんなことを言われ...
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【第1話】婚約者の彼と高級レストランへ→入店後すぐに伝票が渡され…
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本編
イリエさんは一瞬、思い出を
懐かしむような表情を浮かべたが、
すぐにまた自嘲気味に笑うのだった。
スカミ「あの…騙されてたって
言うのは…どういう……」
イリエさんの話によると、
彼とは婚活パーティーで知り合い、
すぐに交際を申し込まれたらしい。
見た目が良く、優しく、誠実で、
おまけにお金持ち…
それまで婚活がなかなか
うまくいかず、焦りを感じていた
イリエさんは、
突然表れた文句の付けようの無い
交際相手に、たちまち骨抜きに
なってしまったそうだ。
おまけに交際を始めて間もなく、
彼の方から結婚を匂わせてきたので、
イリエさんはすっかり
その気になっていたらしい。
イリエ「後から考えると、そんな
うまい話、あるわけないのに…
私、浮かれちゃってたんです…」
ところが、入江さんが彼との
結婚を信じ込んだ途端、
それまで熱烈に愛を囁いていた彼が、
突然別れを切り出してきたらしい。
イリエさんが詰め寄ると、
彼は株で大きなマイナスを
出してしてしまったのだと打ち明け、
このままではとても君を幸せに
出来ない、君を本気で愛している
からこそ身を引くしかないのだと、
涙を流したそうだ。
イリエ「彼が一旦引いた事で、
私はますます前のめりになって…
(どうにかして彼を
繋ぎ止めなきゃ!)って、
必死になっちゃったんですよね…」
今すぐ金が必要だ、支払えなければ
もう夜逃げをするしかない、
実は手堅い筋から確実な情報が
入ったので、
まとまった資金さえあれば、
失った金を取り返す事が出来るのに…
と嘆く彼の話を信じたイリエさんは、
貯金を全て下ろし、
彼に手渡したそうだ。