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本編
私は信じられない思いで、
改めてインターホンの画面の中の
アヤと、その隣の子供を見た。
(本当にうちのWi-Fiを、
子供達が勝手に使ってたんだ……
その上、使えなくなったら逆ギレ
して、文句を言ってきたってこと…?
しかもわざわざ子供を連れて!
いい大人が、どういう神経
してんのよ!!)
アスカ「あの〜…つまり今まで、
お宅のお子さんは、うちのWi-Fiを
勝手に使ってたんですよね?」
アヤ「だからそう言ってる
じゃないの!!
何回言わせるのよ!!」
アスカ「お母さん、よその家の
Wi-Fiを勝手に使うのは、
いけない事だと、お子さんに
教えるべきだとは思いませんか?」
(違法にはならないかもしれない
けど…常識的にダメでしょ!)
アヤ「使えるものを使って、
何がいけないのよ?!
みんなと楽しく遊んでたのに!!
勝手に使えなくするなんて、
ライトが可哀想だと思わないの!?」
アスカ「うちは、ちゃんとお金を
払ってWi-Fiを契約してるんです。
それを勝手に使うのは、
泥棒と同じだと思いませんか?」
アヤ「泥棒ですって!!!
何も取ったりしてないわよ!!!
変なこと言わないでちょうだい!!」
アスカ「使えるからって、勝手に
使っていい訳じゃ無いんですよ?
とにかく、不用心なので
パスワードは変更しました。うちは
フリーWi-Fiじゃないんですよ?
諦めて下さい」
アヤ「なんですって!!!
ライトが使ってるのに、
なに勝手に変更してんのよ!!!
さっさと元に戻しなさいよ!!!」
インターホンに接近し、
醜く歪んだ顔を画面いっぱいに写し
ながら理不尽に怒鳴り続けるアヤ…
私は家の中でその様子を眺めながら、
腹立たしさよりも、
憐れみに似た感情が強くなった。
(こんな夜中に…
ご近所中に響き渡るような声で…
こんな無茶苦茶な事を……
この人には羞恥心ってものが
無いのかしら…?ライトくんはずっと
周りを気にしてる様子だったけど…)