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本編

それから私は家事をしながら、

昼ごはんを食べながら、

マサトにどうやって犬を

諦めさせるかを考え続けた。

実家で飼ってた犬の思い出話をして、

真冬や嵐の日の散歩の大変さを

語ってみようか…

昼間見たんだけどね!とか言って、

動物系ユーチューバーの話をして、

ペットの治療費の話をしてみようか…

 

考え事をしながらも通常通り家事を

こなし、夕方、洗濯物を取り込んで

いる途中で、ふと、今朝マサトが

「今日は風呂やめとこうかな…」

と言っていた事を思い出した。

 

(今日は夕食の準備を手早く

終わらせて、早めに

お風呂に入っちゃおう!)

 

そう思い立った私は、洗濯物を

一旦自分のベッドの上に乗せ、着替え

を持っていそいそと階段を降りた。

一階に降りると脱衣所に着替えを

置き、風呂の追い炊きボタンを押して

から、夕食の準備に取り掛かった。

ビニール袋に入れた鶏肉に調味料を

揉み込んで下味を付け、ざっと切った

野菜を耐熱皿に乗せてラップをし、

どちらも冷蔵庫に入れてからお米を

洗うと、ちょうど追い炊きが

終わる頃合いだった。

 

まだ少し明るい夕暮れ時に

ゆっくり入るお風呂は、最高だった…

お湯は昨日私が入っただけなので、

髪の毛も垢も浮いていない。

 

スカコ「あぁ〜…極楽、極楽〜…」

 

嫌な思いも掃除もせずに

風呂に入れる幸せを噛み締めながら、

私はお風呂を満喫した。

その日は風呂の後にも掃除をせず、

鼻歌交じりに髪を乾かして、

冷たい麦茶を飲みながらほっこり気分

でお風呂上がりのひと時を楽しんで

いると、玄関から音がした。

 

時計を見ると、いつもの帰宅時間より

少し早かったが、どうやらマサトが

帰って来たようだった。

 

マサト「ただいま…」

 

玄関を覗きに行くと、

具合の悪そうなマサトが、

座り込んで靴を脱いでいた。