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本編

何が何だか

さっぱり分からない。

母はどうして、

あんなに焦って

いるのだろう?

 

 

母「何で!?

何でこんなことに!?」

 

 

半分泣き声になっていた。

というよりも、

母の目からは涙が

こぼれていた。

 

 

うれし泣きには見えない、

どちらかといえば

悔し泣きに見える。

 

 

スカミ「お母さん?

えっ!?

ちょっと、

ちょっと待って!?」

 

 

母に事情を聞く暇もなく、

私はハンカチで顔を

こすられた。

 

 

もう、ごしごし音が

立つんじゃないかと

思われるほど、

 

 

母は力を込めて、

私の顔を拭いている。

 

 

スカミ「メイクが

落ちちゃうよ!?

お母さん、やめて」

 

 

母「落ちていいのよ、

こんなメイク!」

 

 

私は小声で母をたしなめ、

行動を制止しようと

したのだけど、

 

 

すごい大声で

怒鳴られてしまった。

こんなメイク!?

 

 

プロのアーティスト、

それも人気がある

ミミさんが頑張って

くれたのに?

 

 

入場直前まで

手直しするほどの

熱の入れようだったのに?