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【ブログ限定】浮気夫「離婚してくれ」私「わかった」→1年後…事態は急展開を迎えた【後編】

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本編

最初、ケイタはあたふたして、

何とかごまかそうと試みたようだ。

しかし、私はさっさと

証拠写真をテーブルに広げた。

 

スカコ「ほんとは、

もっと決定的な動画もあるんだけど。

そこまで見せるのは、私も嫌だから。

この写真があるという事で、弁解は諦めて」

 

ケイタ「……そうか、気づかれていたのか」

 

スカコ「誰でも気づくと思うわよ?

スマホは手放さない、

何ならお風呂にまで、

わざわざ防水バッグに入れて持ち込んで。

残業出張、でも手当はついていない。

こんなに不自然な状況が続けばね」

 

ケイタ「うまくやれてると思ってた」

 

ケイタは真顔で言った。

ばれていないと思っていたの!?

私の方はびっくり仰天だ。

 

スカコ「全然、うまくやれて

いなかったわよ。

ねえ?浮気していて、

私達家族の事は何とも思わなかったの?」

 

ケイタ「スカコには悪いと

思っているよ。

マナもミコも可愛いし、

俺には最高の妻と娘だ。

でも、離婚してくれ」

 

スカコ「その最高の妻と娘と

別れてでも、

一緒になりたい女性がいるのね」

 

ケイタ「……マリコと、

人生をやり直したい」

 

ぼそぼそと答える声には、

力強さは無かったけれど、

大げさではない分、真実味があった。

これはだめだ。

すがっても無駄だ、彼は決心を変えない。

 

スカコ「わかった」

 

私はそう見極め、

離婚届を差し出したのだった。

 

ケイタは、慰謝料と養育費の支払いにも

応じるとして、文句を言わずに

私の要求を受け入れた。

慰謝料は300万、養育費は二人で月8万。

新しい相手のマリコさんとかいう女性にも、

慰謝料を半額の150万請求した。

その事で、あの二人は何やら

揉めたらしいけれど、私の知った事ではない。

当然の権利として、頂く物は頂いた。

 

1年が経った。

私は娘二人を引き取り、

三人で静かに楽しく暮らしていた。

長女は大学受験の準備で、

次女は高校受験の本番シーズンを迎えて、

それぞれに忙しい。

 

でも、仕事に精を出す

母親を助ける事に、とても熱心だ。

疲れて帰宅すれば

 

マナ「お母さん、お帰りなさい。

晩ご飯できてるよ。

ミコ、お風呂は?」

 

ミコ「ばっちり、いい湯加減だよー。

ご飯の後は、お母さんが

一番風呂ね。ゆっくり疲れを癒して」

 

娘達がにこにこしながら

出迎えてくれる。

勉強の合間を縫って、

家事を手伝ってくれるところが、

本当に助かる。

私は良い子に二人も恵まれて、

とても幸せだ。

 

快適な生活を楽しんでいた

ある日の事だった。

お風呂上りに、冷たい麦茶を飲んで、

ソファで一息ついていた

私のスマホが鳴った。

みると、元夫のケイタからだった。

 

スカコ「え?何よ今ごろ」

 

あれから1年、今の今まで、

何の音沙汰も無かったというのに。

きっかけはともかく、

離婚自体は割と円満に

進んだせいもあって、

元夫の事はすっかり忘れていた。

そういえば、着信拒否も

何もしていなかったと、

この時気づいた。

面倒くさかったけれど、

何の用かという興味も感じて、

電話に出る事にした。

 

スカコ「はい?」

 

ケイタ「良かった、通じた。

スカコ、話を聞いてくれないか」

 

何だか弱々しい声だ。

ケイタに何があったのだろう。

 

スカコ「聞くだけなら。

あくまで、聞くだけよ?」

 

ケイタ「聞いてくれるならありがたい。

改めて、お前たちには申し訳ない事をした。

マナにもミコにも、会って謝りたい」

 

スカコ「お気持ちだけいただきます。

言いたい事はそれだけ?」

 

ケイタ「いや、まだある」

 

スカコ「そうですか。

でも残念ですが、お時間です。

それではさようなら」

 

どうせろくな話じゃない。

聞く前から決めつけて、

私はぶちっと通話をオフにした。

すかさず着信拒否の操作。

 

ところが元夫は諦めが悪かった。

電話がダメならラインとばかりに、

がんがんメッセージを入れて来た。

こっちも拒否しなきゃと

思っているけど、

とにかくひっきりなしに入ってくる。

 

ケイタ(ライン)

「もう一度会ってくれ」

「話をさせてくれ」

「済まなかった、俺が間違っていた」

 

これの繰り返しだ。

コピペでもしてるんだろうか。

数打てば当たるとでも

言わんばかりの繰り返しに、腹が立った。

 

隙を見て、こちらもブロックに成功した。

やれやれ人騒がせな。

そう思っていたら、

子供達にも飛び火しているのが発覚。

 

マナ「お母さん、お父さんがしつこい」

 

ミコ「私のラインにも、

メッセージ入りまくりなんだけど」

 

娘達は困惑顔で、

画面いっぱいのメッセージを

私に見せて来た。

会いたいとか、お父さんが悪かったとか、

またみんなで暮らしたいとか。

思いつく限りの泣き言オンパレードだ。

 

マナの方には、マリコさんとの

その後についても詳しく伝わっていた。

目を通してみると、

こんな事が書かれていた。

 

ケイタ「若い女性に誘われて、

思わずその気になった

お父さんが悪かった。

あの子は妻ではなくて、

娘になりたかったみたいだ。

ブランド物を欲しがってばかり、

家事は全然できない、

平気で男と飲みに行く」

 

娘にぐちるとは、

なんて情けない人なんだろうか。

どうも、マリコさんはお金使いが荒く、

掃除は適当、洗濯も面倒、

食事の支度に至っては

宅配アプリのヘビーユーザー。

ついでに飲み歩くのが好き、と。

あっというまに、

お手上げになったらしい。

籍を入れてわずか2ヶ月めに破局したと、

ケイタはラインで語っていた。

泣き顔や、ハートが割れた

スタンプを交えて、

別れの経緯を語っているのは、

40代半ばの男性としていかがなものだろう。

 

マナ「どうしようか」

 

スカコ「無視で良いわよ。

ブロックして、大変かもしれないけど

IDも変えた方がいいかもね」

 

ミコ「お母さん、

スマホの電話番号変えたらだめ?

時々かかってくるの」

 

次女の提案に、私も長女も賛成した。

次の日には、携帯ショップへ

駆け込んで、三人そろって番号を変えた。

これでやっと静かになる。

 

親戚伝いの情報によれば、

破局後のケイタは、マリコが作った

借金を抱えて途方に暮れているという。

何しろ会社の上司と部下という

立場で浮気して、

不倫略奪結婚をした事も、

長続きせずに新しい嫁に

逃げられた事も、

全部周囲に知られている。

風紀を乱したという理由で、

課長から一気に平社員へ降格、

今の元夫は完全に窓際へ

追いやられているという。

 

皮肉にも、浮気をごまかす言い訳に

使ったDX化が進み、

仕事が合理化されて、

ケイタの居場所は無くなっているそうだ。

それでも返済のため、

借金を作った本人が逃げたにも関わらず、

会社に必死でしがみついているという。

一時の迷いは、

人生を大きく変えてしまうものらしい。

 

まぁ、私には関係ない。

元夫は苦労している、

私と娘達は平和に暮らしている、

それでいいよね。

自分が選んだ道なのだから。

おわり