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本編

ああ、だめだこの子。

私は昼休みが終わるを理由に、

さっさと自分のクラスに

帰りなよと、彼女を怒鳴って

追い払ったのだった。

カオルコは、

申し訳なさそうに私を見た。

 

カオルコ「ありがとう、スカ美。

なんかごめんね?」

 

スカ美「いいの、私が

嫌だったんだもん。カオルコ、

いつもああなの?サクラコは」

 

カオルコ「そうだね。

家でもどこでも、まともに

私を姉とは呼ばないね」

 

スカ美「そうなんだ。大変だね」

 

他に言いようが無くて、

私は親友を無難な言葉で

なぐさめるしか出来なかった。

カオルコは、本当に

いい子だと思っている。

中等部に入学したころから

知っている、彼女は優しい子だ。

私は、彼女が人をけなしたり

悪く言っているところを、

一度も見た事がない。

欠席した子が、次の日にノートを

見せてと頼んできたら、

必ず快く見せてあげている。

嫌な事があっても、

顔に出さない。いつも穏やか。

長所を挙げれば、

キリがないくらい出てくる。

 

サクラコは、よっぽど自分の顔に

自信があるらしく、反面で

似ていない姉を

ブス呼ばわりするけれど。

カオルコはただ、妹とは

タイプが違う顔つきというだけ。

末長く、友人としてお付き合い

したい子なのだった。