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本編

なるべくマイルドに、

気を悪くさせないように。

私はそっと、体を離した。

 

スカコ「あはは、そうだねえ」

 

そんな私を、ミカコは静かに

ほほ笑みながら見つめていた。

何だろう、この豹変ぶりは。

恐怖とまでは言わないにしても、

変な印象を受けたのは確かだ。

まさかとは思うけれど、

ミカコって、もしかして

同性に関心がある系の人?

いやいや、それはないよね?

だって彼女はママだし。

 

そこまで考えて、

私はある事に気が付いた。

そうだ。

妊娠経験があると聞いていたから、

てっきりお子さんがいるものと

ばかり思っていた。

 

スカコ(待って。私、ミカコさんの

お子さんの名前は知らない。

性別も、年齢も。っていうか。

ミカコさんからお子さんの話題が

出た事、今まであったっけ?)

 

そこに気が付いた瞬間、

またしても、あのぞわっとした

感覚が戻ってきた。

先輩ママで、私の出産を

楽しみにしているのであれば…

どうして一度も、お子さんの

話題が出た事が無いの?

 

スカコ(もしかして、

妊娠経験って嘘?

だとしたら何でそんな嘘を?)