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本編

生徒「先生、この数式の解き方を教えてください」

今日はノリオが開放教室の監督らしい。

早速、小学生につかまっていた。

 

 

彼は英語科チーフだが、

さて私立中学受験コースを受講する男子小学生に、

どう対応するのか。

 

 

講師控え室から、こっそり開放教室を覗いた。

ノリオ「いいか。

まずこのXに数字を代入して」

 

 

英語科の担当ではあっても、

さすがは東大卒といったところか。

小学生には難しいのだろう数学の式を、

さっと目を通しただけで読み解いたようだ。

確かに頭はいい。

 

 

ノリオ「あぁ!違う違う!

それを代入しろなんて、どこに書いてある!?」

 

 

……おいおい。

早速ながら、雲行きが怪しくなってきたぞ。

そんな乱暴な言い方をしたら、

生徒が戸惑うし、怖がるだろうに。

 

 

俺は、ちょっとはらはらしながら

成り行きを見守った。

やっぱり生徒は困惑の表情を浮かべた。

 

 

理解が追い付いていないようだし、

何がどう悪いのか、

わからなくなっているようだ。

 

 

口出ししたいのはやまやまだが、

あいにくと俺は数学は担当外だし、

教えられる知識はない。

 

 

ノリオはどうやら、少なくとも

小学生相手ならオールラウンダーというか、

主要五教科をまんべんなく教える能力はあるようだ。

そこのところは、素直に俺より優れていると認める。