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本編

スカオ「あの、まだ話は終わって」

ノリオ「あんた中卒だったのか!?

高校行ってない!?

 

俺は、さっき言ったよな?

うちはトップレベルの進学塾だって」

スカオ「はい、聞いてました。

ですからね」

 

 

ノリオ「うわ、騙された。

何だよ、塾長が

直々にスカウトしてきた講師っていうから、

さぞや凄い経歴だとろうと思ってたら。

まあ、ある意味、凄い経歴ではあるけどな?」

 

 

といった流れで、

こうなった次第だ。

参ったな、

これは聞く耳持ってもらえない

拒絶パターンの中でも、

かなり厄介なタイプらしい。

 

 

ノリオ「中卒の分際で、

よくもまあ、国公立大学進学率No.1のうちで

教える気になったもんだ、ずうずうしい」

 

 

スカオ「ええと、すみません。

俺の話はまだ途中なんですが」

ノリオ「中卒のために使う時間はない!」

 

 

ノリオはぴしゃりと言い放つと、

風のように俺の目の前から

立ち去って行った。

 

 

困った。

彼は単なる同僚ではない。

英語科講師チームのリーダー、

学校でいえば教科主任

といったあたりの立ち位置だ。

 

 

対する俺は、

今日からお世話になる新入りも新入り、

これ以上はないってくらいの新入り。

 

 

授業の進め方など、

指導を受けなければいけない事が

山ほどあるのだ。

俺、口をきいてもらえるんだろうか。