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本編
そうなのだ。仲直り出来たら、
「あの時、2人はこんなこと言ってた
んだよ。私、傷ついたんだから。」と
聞かせるつもりで、
私は半年ほど前にボイスレコーダーを
購入し、常にポケットに入れて、
モラオやユウが酷いことを言い出すと
録音するようになっていたのだ。
モラオ「え…?録音…。
DVって…そんな…。
他愛もない夫婦喧嘩なのに〜。
大げさに言わないでくれよ〜!」
スカコ「モラオは、大声で
怒鳴ったり、壁を殴ったり、
テーブルの上をなぎ倒したりするのが
他愛もない夫婦喧嘩だって言うの?
トイレで仕事しろとか、トイレで生活
しろとか言って、閉じ込めるのが?」
モラオ「だから…。売り言葉に
買い言葉じゃないか…。」
スカコ「私は何も怒ってなかったし、
何も悪いことしてなかったじゃない!
ただ、締め切り前だから、
仕事をしていただけなのに…。
モラオが1人で、一方的に
怒鳴ってきたんじゃないの!!!」
モラオは、両親と義両親の前なので、
強く言えないようだった。
証拠が有ると言われて嘘もつけなく
なり、何かモゴモゴつぶやきながら、
冷や汗を拭っていた。
ユウ「ねぇパパ!何でこんな女に、
好き勝手言わせておくんだよ!!」
ユウが言った言葉に、
その場の空気が凍り付いた。
義母「ユウ君!!お母さんに
向かって、何てこと言うの!!」
義母が厳しくたしなめたが、
ユウは止めるどころか叫び出した。
ユウ「なんだよ!!こんな女!!
本当の母親でもないくせに!!
偉そうに!!!口うるさいし、
ババアだし、いらないんだよ!!!
今度来る新しいママは、若くて
優しくて、パパとも仲良しだし、
何でも買ってくれるんだから!!!」
(あ〜あ。言っちゃった…。
まぁ、お陰で私が言う手間が
省けたけど…。)
予想外のユウの暴露に、
私は苦笑いだった。