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本編

タカシ「俺は父親になれるん

だもんな!いや…お前には

悪いことしたと思ってるよ…

きちんと払うよ!この、財産分与の

中から払えばいいんだよな?」

 

俺は子供も持てるし、パートナーも

いるけど、お前は……と、私に同情

でもしているような顔をするタカシ。

反省の色が全く見えない様子に、

私はイラつき、何か言ってやりたい

気持ちになりましたが、弁護士さんは

それを察したかのように、口を挟む

隙を与えず、サクサクと事務的な

手続きを進めていきました。

 

弁護士「それではこれで、

必要書類は全て整いました。

離婚届は明日、私の方で責任を

持って提出させて頂きます。

後日、役場​​の方から離婚届が

提出されたという通知が

届きますので、ご確認下さい。

…何かご質問は?」

 

私もタカシも「ありません」と答え、

滞り無く全てが終わりました。

 

スカコ「それじゃあ、すぐに荷物を

まとめて、明日には出て行って

くれるかな?さっきの書類にも

あった通り、このマンションは

私の名義で借りてるものだから。

まだ片腕が不自由だから、

大変かも知れないけど、

引っ越し屋さんを呼ぶか、

浮気相手関係以外だったら、

友達を呼んでもいいから」

 

タカシ「わかってる…業者に頼むよ」

 

スカコ「鍵は郵送でいいから、必ず返してね」

 

タカシ「わかった…」

 

弁護士「ではこれで失礼します。

約束が不履行になった場合、

訴訟になりますので、

くれぐれもお気を付け下さい」

 

スカコ「じゃ…さよなら」

 

来る前は

(もしタカシがゴネたら、

今日1日では終わらないかも…)

と心配をしていた私には、

少しあっけなくも感じられる

幕引きとなりました。

家を出て、弁護士さんに

お礼を言って別れ、実家に戻って

「全部終わった」と報告し、

独身時代の部屋で1人きりになると、

タカシとの13年間の日々が、

走馬灯のように蘇ってくるのでした…