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本編
スカコ「タカシが浮気をしたのは、
私が悪いって言いたいの?
お給料の事も、子供の事も、
不満に思ったことは一度も無いよ?
親の前でも、友達の前でも、
いつもタカシの事を褒めるから、
『またノロケてる』って
からかわれてたの知ってるでしょ?」
タカシ「それでも!
俺はツラかったんだよ!
浮気したことは悪いと思ってる…
でも、彼女は俺をツラい気持ちには
させないんだ!!それに、
俺の子供を妊娠してるんだよ!!!」
浮気を正当化し、浮気相手を褒め、
妊娠を自慢気に宣言するタカシ。
スカコ「妊娠って言うけど…
あなたは…」
タカシ「うるさいっ!!本当に
俺の子を妊娠してるんだ!!何度も
一緒に産婦人科に行ったし、お腹の
中で動いているのも見たんだ!」
無精子症のことを言われたく
ないんだろうけど…気持ちは
分かるけど、事実は事実なのに…
タカシ「今のエコーって
スゴイんだぞ!!スカコは
見たことないだろうけどさ〜。
赤ちゃんの顔もハッキリ
見えるんだ!!ほんと、
俺にそっくりなんだよ〜!!
俺、今すごく幸せなんだ!!!」
浮気の事を棚に上げ、1人で
目をキラキラさせているタカシ…
私はもう何だかバカバカしくて、
「はぁ…そうですか…」としか
言えませんでした。
弁護士「お幸せなのは結構ですけど、
タカシさんが浮気をされた事実に
変わりはありませんので。こちら、
慰謝料と、財産分与の詳細です」
スカコ「お腹の子に罪は無いけど、
浮気をしたんだから、
慰謝料はきちんと払ってもらう。
タカシにも、彼女にも」
慰謝料は、弁護士と相談し、あえて
相場より高めの金額を提示しました。
そこから交渉されて、下げられることを
前提とした金額でした。
一瞬眉間にシワを寄せた
タカシでしたが、意外なことにすぐ
「うん。わかった」と
提示額のまま了承しました。
財産分与の金額が、思ったより
多かったのかも知れません。
いつか家を建てようね。と、
給料を私が管理し、毎月積み立てて
いたものを半分に分けたのです。