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【第19話】私の娘にだけ異常に厳しい担任→大勢の保護者の前で真実を打ち明けた結果…

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本編

保護者達は眉をひそめ、

非難に満ちた目で

ヨコタ先生を睨みつけていた。

 

ユイ「これまで、作文の授業では、

他の子の作文には、先生が赤ペンで

いろいろ書き込んでくれるのに、

私の作文には、

何も書いてくれませんでした。

だけど、授業参観で読む

作文は、みんな自信を持って

発表ができるように、

先生がキチンと読んで、

良いところを残して、ダメなところは

直してくれると言っていたから、

きっとこの作文には、

先生が赤ペンでお返事を

書いてくれると信じています。

でももしも、今回もまた、

先生が赤ペンでお返事を

書いてくれなかったら、

私はこの手紙を、授業参観で

読みます。先生、必ずお返事を

下さいね」

 

ユイが作文を読み終えたところで、

ちょうど授業終了のチャイムが

鳴り響いた。

静まり返ってユイの発表を

聞いていた子供達は、魔法が

解けたように一斉に喋り出し、

ヨコタ先生は血の気を失ったような

真っ白な顔で、足元を見つめながら

ブルブルと震えていた。

 

授業中、廊下から各教室を

見回っていた学年主任の

スズキ先生が、いつの間にか

入って来て、無言のまま

ヨコタ先生を連れ出して行った。

 

保護者達からの驚きと戸惑いの眼差し

が、私達夫婦とユイに注がれた。

タケルが隣から私の手をギュッと

握り、小さく微笑んだ。

そして私を連れてユイの所へ行くと、

ニカッと笑って、目にいっぱい

涙をためているユイの頭を、

優しく撫でた。

 

私は思わず膝をついて

ユイを抱きしめ、

「とっても良い発表だったよ」

と囁いた。