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本編

鋼の女だと思っていた義母の涙を

初めて目にしたユウスケも、

さずがにショックを受けようで、

それ以上はもう、

何も言えなくなったようだった。

 

義母「言うべき事は、

もう全部言ったわ…

スカコさん、行きましょう」

 

スカコ「はい…」

 

私は必死で踏ん張っている義母を、

一刻も早くここから

連れ出してあげたかった。

 

スカコ「お2人とも、

どうぞお元気で。さようなら。

今後の連絡は、全て弁護士を

通して下さいね」

 

私は放心状態の2人にそう告げると、

義母と共に自宅を後にした。

義母に対しては、申し訳ない思いと

同時に、感謝の気持ちで

いっぱいだった。

憎らしい2人に対して、

最大限の痛手を負わせる事が

出来たのは、義母のお陰だ。

義母の制裁が無ければ、

もしかしたらあの2人は笑って

再出発出来たかも知れない。

 

しかし今となっては、

特にユウスケはもう、

再起不能と言ってもよい状態。

2人が手を取り合って高笑い

するような未来は、

完全に消え失せたのだ…

 

その後、義母は宣言通り、

すぐに2人を解雇処分にした。

2人の仲もすぐに

終わってしまったらしく、

聞いた話によると、どうやらアカネは

『次期社長』と言うユウスケの

レッテルにしか興味が無かったようで

 

アカネ「社長夫人になれないなら、

あんなボンクラおじさん、

相手にするわけないじゃん!!

慰謝料とか、解雇とか、

大損害だよ!!!」

 

と文句を言っていたらしい…

反省の色が全く無いアカネの様子に、

私は改めて呆れてしまった。