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本編

リサ「ね、スカオ。

このDVDどうする?見る?」

スカオ「DVD?」

 

 

リサ「そう。スカオの生い立ちに

関わる記録なの。

 

 

今となっては、

もう必要が無いもの

なんだけどね。

 

 

処分するとしても、

スカオの意見を

聞いてからだと思って」

スカオ「俺の生い立ち、ね」

 

 

父方の叔母であるリサさんが、

透明なプラケースに入った

DVDディスクを

差し出されたのは、

 

 

仕事が終わって帰宅、

夕食を済ませた後だった。

彼女の表情から分かる。

俺にとって楽しい

記録じゃないって事は。

 

 

スカオ「具体的に、

どんな内容?」

リサ「たぶん、察しは

ついてると思うわ。

 

 

スカオが私の家に来た、

その経緯について」

スカオ「ははぁ。

俺が6歳の時の話ね」

 

 

DVDを見つめながら、

俺はその当時の、

今や消えかかっている記憶を

探った。

 

 

6歳か。もうかれこれ

29年ほど昔の話だな。

俺はスカオ、現在35歳。

 

 

6歳で実母と死別して、

叔母のリサさんに引き取られ、

育てて貰ったんだ。