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本編
最後にローテーブルの上を片付けて、
玄関から持ってきたものも含めて、
金銭関係の書類を全て乗せ、
未開封の封筒は開封し、
送り元別に仕分けして、仕分けした
物を更に日付順に重ねて整理した。
もうとっくに精神的にキャパオーバー
ではあったが、もはや非常事態ハイに
なっていた私は、逆に異常な
冷静沈着さで、事務仕事のベテランの
ようにテキパキと作業を進めた。
だが同時に、心の片隅ではツバサへの
怒りをフツフツとたぎらせて
いたのだった……。
(ツバサ…。初めての一人暮らし、
上手にやってると思ってたのに…。
とんでもない借金男じゃねぇか
よぉ〜〜〜!!!!!
何にも気付かずに結婚を夢見てた、
浮かれポンチな私……。
バカバカバカ〜〜〜!!!!!)
(家に帰ったらどうしてくれよう…。
体調悪いとかもう知らん!!
とりあえず鉄拳制裁!!
……もうこれは鉄拳制裁も許される
でしょ。それから正座させて説教!!
江戸時代の拷問みたいに、
三角の角材を並べた上に正座させて
いいレベル!!……しないけど!)
そうして整理した金銭関係の書類を
丁寧にカバンにしまってから、
部屋にあった紙の手提げ袋に不要な
紙ゴミをどんどん入れて玄関に
持って行った。
さっき一箇所に積み上げておいた
チラシ・DMなども全部入れ、
玄関脇に置いた。
説教は家に帰ってから、ツバサの顔を
見てするつもりだったのだが、
さっきシンクに置いた、灰皿代わりに
された空き缶が目に入ると、
抑えていた怒りが一気に沸騰した。
私はもう我慢が出来なくなって、
携帯を取り出し、ツバサに電話した。
ツバサ「もしもし…」
(寝てたのかな?
しんどそうな、掠れた声だな…)
スカミ「あ、寝てた〜?ごめんね、
電話して。体調はどう?大丈夫〜?」
ツバサ「うん…。寝たらだいぶ良く
なったよ…。心配かけてごめん…」
スカミ「そんなのいいんだよ。
気にしないで。ねぇ…
ところでツバサ…もしかして
私になにか…隠し事とかしてない?」