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【第16話】婚約者の彼と高級レストランへ→入店後すぐに伝票が渡され…
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本編
[待ち合わせ場所に着いたよ!
今どこにいる?]
私は絶望的な気持ちで
画面の文字を眺め、
キョロキョロしながら待ち続ける
タカヤをもう一度確認すると、
無言でその場を後にした。
溢れて来そうになる涙を必死で
堪えながら、帰りの電車に揺られて
いると、またスマホが鳴った。
またタカヤからだった。
ただし今度は、普段使っている
メッセージアプリで、
私に向けて送られた文章だった…
[友達にドタキャンされたー!
今から会えない?]
(マッチングアプリのお相手に
ドタキャンされたら、今度は私で
予定の穴埋めをするんだ…)
腹立たしくて、情けなくて、
我慢していた涙が溢れてきた。
ちょうど停車した駅で電車を降り、
駅のベンチで少し泣いてから、
私はタカヤにメッセージを返した。
[ごめん。ちょっと体調が悪くて…
今日はもう寝るね]
そのままボンヤリと、
何本もの電車が到着しては
出発するのを見送った。
自宅に戻るとすぐ、
頭から熱いシャワーを浴びて、
自分に喝を入れた。
心も体も少しスッキリした私は、
今後の計画を練り直す事にした。
今度は、真実を確かめる為の
計画ではなく、タカヤに
罰を与える為の計画だった……