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【第8話】婚約者の彼と高級レストランへ→入店後すぐに伝票が渡され…

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【第7話】婚約者の彼と高級レストランへ→入店後すぐに伝票が渡され…
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【第1話】婚約者の彼と高級レストランへ→入店後すぐに伝票が渡され…
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本編

深刻な表情のイリエさんが、

熱弁しながら少しずつ

にじり寄ってきたので、

私はちょっと怖くなり、

少しずつ横にズレて距離を保った。

 

(今日初めて会った人から、

突然そんなことを言われても…

私はタカヤを信じてるし、

愛してもいる。信頼の天秤は当然、

タカヤに傾くに決まってる!

イリエさんが嘘を言っているようにも

思えないけど…こんな話、

そう簡単に信用出来る筈がない…)

 

スカミ「急にそんな事を

言われても、はい分かりました、

とはなりませんよ…

イリエさんとは、

さっき会ったばかりだし…

何か証拠は有るんですか?」

 

怯える私の様子に、ハッと我に返った

イリエさんは、「ごめんなさい…」と

謝った。

 

イリエ「私、つい…そうですよね。

ハハ…証拠も無しにこんな事を

言われても、信じられませんよね…」

 

イリエさんは自嘲気味に笑うと、

思い出したようにポケットから

スマホを出して、何かを探し始めた。

 

イリエ「あ、あった!これです!!

彼、写真は嫌いだって言って、2人で

撮るのを嫌がってたんですけど、

頼み込んで一度だけ、

記念に撮った事があったんです…」

 

そう言って、イリエさんは

スマホの画面を見せてきた。

私が恐る恐る覗き込むと…

どこかの旅館で撮った写真だろうか…

浴衣姿のイリエさんの隣に、

お揃いの浴衣を着て映っていたのは…

確かに私の婚約者、

タカヤ本人だった…

 

(あ…本当だ…)画面に見入る私に

向かって、イリエさんは話を続けた。

 

イリエ「この写真を撮った当時、私は

本気で彼との結婚を考えてました。

と言っても、さっきも言ったように、

騙されてたんですけどね…」