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本編

ちょ、待って?

何で俺まで巻き添え食らって

怒られてんの!?

 

 

軽く世間話しただけなのに、

先輩に叱られてしまって、

何となくテンション下がったぜ。

 

 

結局、ボクシング部は渋々ながら、

サッカーコートの周辺をランニングした。

ああああ、いいなぁ。

女の子の観客がいっぱいいるなぁ。

 

 

後輩「ゲントって人、やっぱ凄いんですね。

足早いもんな」

ジン「ああ、サッカーはよく分からんが、

身体能力はそれなりにあるのは分かる」

 

 

サッカー部の練習を見ながら、

俺と後輩はこそこそ話していた。

注目のゲントは、なるほど、

確かに足が速いし、ボールを蹴りながら

サクサク走れるんだから、大したもんだ。

 

 

後輩「こうやって見てると、

サッカーって華やかだな。

ボクシングなんて、

野郎同士が延々と殴り合うだけの、

地味な試合だもんなぁ」

ジン「そこがいいんじゃねえかよ」

 

 

これは虚勢ではない。

実は、誰にも言った事はないが、

俺はプロを意識している。

 

 

ボクシングはアマチュアと

プロに分かれていて、

やっていることは似ていても、

実際はかなり違う。

免許制っていうのが、最大の違いだろうな。

 

 

ボクサーライセンスというそれは、

高校生でも取れる。

一番下のC級だけど。

 

 

ただし、ライセンスを取得したら

もうプロ扱いだ。

アマチュアの試合には出られない。

 

 

高校生として、アマチュア大会に

出たいと思っている俺は、

少なくとも部活引退まで

免許をとらないつもりだった。