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本編
アスカ「もう大丈夫です。本当に
どうもありがとうございました」
ナオキさんを見送る時、玄関ドアの
外側に置いてあった傘立てが
無くなっている事に気が付いた。
ドアにかけてあったハロウィンの
リースも無くなっている…。
(傘立てはともかく、ハロウィンの
リースはタクミと一緒に
作ったものなのに…)
思いがけず、また投げつけられた
悪意で、心の中に再び真っ黒なシミが
広がっていくようだった…。
体も疲れていたが、心の方がより
グッタリと疲れ果て、私はもう何も
言えず、ただ深いため息をついた。
6時半過ぎに帰宅したケンタに
朝ごはんを出し、食べてもらいながら
もう一度詳しく話をした。
タクミを起こす時間になったので、
起こして朝ごはんを食べさせたが、
正直まだ不安な気持ちが消えない
ので、今日は幼稚園をお休みにする
ことにして、私も子供達も一日
家から出ない事に決めた。
クレハと旦那さんが謝罪に来る
約束は、クレハが逮捕されたので
無くなるかもしれないが、
一応約束をしたままなので、
ケンタには一旦寝てもらい、
話し合いに備えてもらう事にした。
ハルトを起こすと熱は下がっていた。
離乳食を与えるとニッコニコで
食べてくれたので、
風邪はもう心配ないようだったが、
一応シロップ薬を与えてから
ミルクを飲ませた。
いつもの朝の、いつもの風景…。
改めて、子供達が元気で居てくれる事
に感謝せずにはいられなかった…。
登園時間の30分前に幼稚園に
電話をし、今日はタクミを休ませる
ことを伝え、クレハ逮捕の事件を
話すと、園長先生は昨夜クレハの
旦那さんに住所を教えてしまったせい
だと悔やみ、謝罪してきた。
園長「旦那さんから謝罪に行きたいと
言われて、アスカさんの住所を教えて
しまったの…。
クレハさんの性格を考えると、
簡単に教えるべきでは
無かったのに…。私の失態だわ…。
本当に申し訳ございません!」