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本編
サクラ「……産婦人科に行った時ね、
お父さんが言ってたように、
他人の目がすごく辛かった。
ジロジロ見られてるような気がして、
何か話してる人がいるだけで、
私の事かな？って思えて…。
もし子供を産んだら、ずっとこんな
気分になっちゃうのかなって
思ったら、怖くなった」
ミホ「高校生だって、検診とか、
病気とかで、産婦人科に行く場合
だってあるよ。そんな時には、
別に堂々としていればいい。
人間って、どんな場所に居たって、
後ろめたい気持ちや恥ずかしい気持ち
があると、他人の目が気になっちゃう
ものなのよ」
サクラ「うん。そうだね…。
これからは、他人の目を気にせず、
堂々と生きていけるようにする！」
スカオ「あと、もう二度と、
タクヤみたいなダメ男に引っかか
らないようにするんだぞ！」
サクラ「うん！(笑)今度は
お父さんみたいな人を探すね！
でも元ヤンは勘弁だけど！(笑)」
ミホ「ちょっと！(笑)それ、
親に対する侮辱なんだけど！(笑)」
毎日元気に学校へ行き、
冗談を言っては笑い合える、
明るいサクラが戻って来てくれて、
俺もミホも、それから義両親も、
心から安堵している。
もちろん、今回の騒動を通じて得た、
心の痛みや後悔は、これからの
サクラに一生影を落とすだろう。
だが、それでいいのだと俺は
思っている。痛みや後悔の全く無い
人生を歩む人間なんていないのだ。
身をもって、命の大切さを心に刻んだ
のだから、将来は必ず、素敵な母親に
なれるだろうと信じている。
タクヤはあれから義実家でまた散々
怒られて、しばらくは神妙にしていた。
俺たちは義父から頼まれて、タクヤに
慰謝料を請求し、公正証書を作成した。
慰謝料支払いの為、義父の知り合いの
会社で働かせてもらえることになった
タクヤだが、最初は真面目に働いていた
ものの、結局１ヶ月もしないうちに
辞めてしまい、勝手に義実家を
出て行った。
それから間もなく、案の定慰謝料を
支払えなくなり、口座を凍結されて
生活が出来なくなったタクヤは、
結局また義実家に戻って来て、
再び義父から大目玉を食らっていた。
常識ゼロのタクヤは、慰謝料を
支払わないと口座が凍結されることを
知らなかったらしい…。今度こそ、
改心してくれるといいのだが…。
無理か〜…。タクヤだもんなぁ〜…。
おわり
