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本編

そんな気遣いを、

ごく普通にしているアヤカさん

が、まぶしく見えた。

こういう女性こそ、最優先で

救われるべきじゃないか。

 

スカ太郎「奥様、

いやアヤカさん。

慰謝料請求にあたって、

俺に影響するかもしれない

と考えて、お話に

来てくださったんですよね?」

 

アヤカ「はい、そうです。

あなたにご迷惑がかかる

可能性があるので、事前に

ご相談すべきだと思いました」

 

スカ太郎「だったら、

俺の希望を言いますね。

どうぞご遠慮なく。

慰謝料の請求でも、

再婚からの自滅コースでも、

何なら両方でも。

お好みで選んでください。

俺はふられてますので、

もう赤の他人です」

 

アヤカ「よろしいのですか?」

 

スカ太郎「はい。

むしろ、メグミのためにも、

ここは制裁が必要ですよ。

筋違いが簡単に通るほど、

世の中あまくないと

教えてやってください」

 

俺の言葉に、アヤカさんは

ほっとしたようだった。

その表情も実に風情がある

というか、

優しい人柄が感じられて、

俺は素敵な人だなぁと思った。

もう、メグミの事は

どうでもよくなっていた。

 

さてその後だが。

熟慮の末、アヤカさんは

ご主人であるコバ課長にだけ、

慰謝料を請求した。

若いメグミにぞっこん

だったらしい課長は、

請求に応じてでも絶対に

彼女と再婚すると言い張った。

メグミもメグミで、

表側の良いところしか

目に入っていないようだ。