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本編

トウゴ「別にいいじゃん、

おまえは何も悪くない。

一緒に行こう。弟子入りまでは

しろって言わないから。

うちの爺ちゃん、

じゃなかった、親方は

厳しいけどかっこいいよ!」

 

子供たちは大いに盛り上がった。

私は、あえてじろりと、きつい

視線をワルコさんに送る。

睨みをきかされたと思ったらしい

彼女は、首をすくめ、

真っ青になりながら、

口を固く閉じている。

かすかに、OKという意味か、

首をこくこくと縦に振っていた。

 

トウゴ「ヤスキのお母さん。

ていうか、ここにいる

お母さん方。

将来は、決めてくれなくても

いいですよ。子供に決めさせて

ください。自分が納得できる、

自分の人生を、自力で

歩みたいんです。僕らは」

 

息子の言葉が、ぼう然と

していた参加者一同を、

はっとさせたようだ。

どうやら気づいてくれたらしい。

子供の人生は子供の物で、

親が好きに出来る領域では

ないという事に。

ひと騒動あったものの、

私達は気を取り直してランチを

楽しみ、帰路についた。

楽しそうに、現場見学の話を

していたトウゴとヤスキくんは

 

ヤスキ「また週明けに!」

 

トウゴ「じゃあな!」

 

笑顔で別れた。

さて、現場見学の手配を

しなきゃ。忙しくなるなぁ。

私はその忙しさを嬉しく思い、

息子と一緒に家へと

急いだのだった。