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本編

トモコ「……分かった。保育園の

時の写真、無いんだもんね!

1枚だけでも欲しいよね!

探してみるよ!何日かかかっちゃう

かも知れないけど、待ってて!」

 

スカミ「ありがとう!!嬉しい〜!!

本当にどうもありがとう!!」

 

数日後、トモコはメールで

写真のデータを送ってくれた。

私は早速、私と母が写っている部分を

拡大してプリントアウトした。

そしてもう1枚、今度は

母の顔だけをプリントアウトし、

それをしみじみと眺めた。

 

今の母とは文字通り別人の、

記憶通りの母の顔を、

およそ8年ぶりに見た私は、

入れ替わりの疑惑が、紛れもない

真実だったのだと確信した。

私は詳細を突き止めるべく、

母の友人や母方の祖父母に会って

話を聞こうと思ったが、

連絡先も分からず、中学生の

調査力では、手がかりはおろか、

存在の有無さえ分からなかった。

 

それならばと覚悟を決めた私は、

父に、真正面から本当のことを

尋ねてみることにした。

プロ野球好きの父は、

贔屓のチームの試合のある日には、

いつも決まってお酒を飲みながら

中継を楽しんでいたので、

私は、母親や祖父母がいない

タイミングを見計らい、試合後の、

ほろ酔い状態の父親に尋ねた。

 

スカミ「お父さん、ちょっと

聞きたいことがあるんだけど…

お母さんってさ、

私の本当のお母さんなの?」

 

ほろ酔いの上に不意打ちを

食らった父は、感情や表情を

隠すことができなかったようで、

ギョッとした顔で私を見た。

ところが、一瞬の後、

父は何も聞かなかったかのように、

リモコンを手に取るとチャンネルを

変え、ドキュメンタリー番組を

見始めたのだ。

 

私は誤魔化されてなるものかと、

本当の母が写っている写真を

突き付けた。