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本編

そんな事をやっているうちに、

すっかりネックレスを

取り返すという事を

忘れてしまった。

思い出したのは、

何とか落ち着いた義父を、

義母ともども送り出して

だいぶ経ってからだった。

 

スカ子「……やられたわ」

 

私はがっかりした。

義母に持っていかれた私物は、

今までに一度も

戻って来た事が無い。

ジュンヤに訴えても

 

ジュンヤ「俺のじゃ

ないんだからさ、

自分で取り返しなよ。

ちゃんと自分で

言えばいいじゃん」

 

徹底的に無関心。

さすがに、我慢の限界だった。

っていうか、こうなって

ようやく、あの二人は

心底ダメだと気が付いた。

正確には、薄々感づいては

いたけれど、今の今まで

認めたくなかった。

やっと踏ん切りがついた

といったところかな。

 

腹が立ちすぎて、これ以上の

同居は不可能と断定した。

手早く荷物をまとめ、

誰も居ないのをいいことに、

すかさず飛び出した。

家出する!

そうでもしなきゃ、

あの二人は真剣に私の訴えを

取り合わないだろう。