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本編

ユキ「スカミちゃんはもう大丈夫。

ご両親だっていらっしゃるし、

この家の事は忘れなさい」

 

スカミ「え…?ユキさん…

どうして……??」」

 

ユキ「スカミちゃんは、カタギの

お家のお嬢ちゃんなんだから。

ヤ●ザなんかに

関わらない方が良いの。

カタギの世界で幸せになりなさい。

もうここへ来ちゃダメよ!

分かった?」

 

厳しい声でそう言うと、

ユキさんは一方的に電話を切った

きり、もう出てくれなくなった。

何度もしつこくかけていると、

そのうちに着信拒否を

されてしまったようだった。

 

一度だけ、ツバサを抱いてお

家の前まで行ったけど、

ピンポンを押しても、

誰も出て来てくれなかった。

 

(あぁ…もう、会えないって

事なんだな……)

 

そう言えば、ユキさんのクラブへ

行った後にも、叱られた事があった。

 

私が「成人したら、ユキさんの

お店で働いて、恩返ししますね!」

と言った時だ。

 

ユキ「夜の仕事にはね、

覚悟や野心が必要なの。

スカミちゃんには向いてないわ。

本当に恩返しがしたいなら、

カタギの世界に戻って、

そこで幸せになってちょうだい!」

 

いつになく、真剣な表情で私に

言ったユキさんのことを思い出した。

 

(ユキさんは、いつか私と会えなく

なるって、分かってたんだな…)

 

ものすごく寂しい気持ちに

なったけど、後から思えば、

それが、コワモテの親分さんと

ユキさんからの、

最後の愛情だったのだろうと思う。

本当に、かっこいい人達だと思う。