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本編
スカコ「コロナのせいもあって、
里帰り出産が長くなっちゃったし、
その間ずっと会えなかったから、
“自分の子供だ”っていう
意識が薄いのかも…」
サオリ「でも、それにしたってさ、
目の前に泣いてる子供がいて、
必死で世話をする妻がいるのに、
それをガン無視できるって…。
どういう了見だって話だよ!
誰の子だと思ってんだよ!
って問い詰めてやりたいわ!」
スカコ「元々は愛情表現が
多いタイプだったのに…」
サオリ「だよね〜?社交的で、
明朗で、サバサバした人だと
思ってたのに…。まさか、
こんなネチっこく無視とかし続ける
タイプだったなんて!!」
スカコ「最初は一時的なものだろうっ
て思ってたんだけど…。
もう2ヶ月も経っちゃって…」
サオリ「いや、よく耐えたよ!!
しかも赤ちゃんの世話をしながら
だもんね…。私だったら
ブチ切れるよ!!スカコも、
ブチ切れてやればいいんだよ!!」
まるで自分の事のように、
タツヤに対して腹を立ててくれる
サオリを見て、私は今まで、
原因は自分にあるに違いない、
悪いのは私だと、ずっと
思い込んでいた事に気が付いた。
サオリ「タツヤさんの友達とか、
職場の同僚とかで、誰か探りを
入れられそうな人って居ないの?」
スカコ「うん…。結婚式では
挨拶したけど、それっきりで…。
誰の連絡先も知らない…」
サオリ「そうなんだ…。
じゃあ、会社に突撃しちゃうとか?」
スカコ「えっ!?突撃!?」
サオリ「そう!タツヤさんさ、
親が一緒の時はスカコに
返事するんだよね?」
スカコ「うん…。まぁ、
頷く程度だけど…」
サオリ「きっと自分が妻を
無視してるって事、周りには
知られたくないんだよ!だから
会社まで行けば、タツヤさんも話を
するしかなくなるんじゃないかな?」
スカコ「あぁ〜…。なるほど〜…」