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本編
スカミ「え?契約終了、ですか」
上司の申し訳なさそうな顔を
見ながら、
私はたった今言い渡された、
事実上の解雇宣告を繰り返した。
この仕事を始めて半年。
いわゆる派遣社員で、
半年の勤務継続後には、
直雇用されるという話だったはず。
決して人手が有り余っている職場では
ない。むしろ足りないくらいなのに。
スカミ「あの。私、何か
問題を起こしたでしょうか?
心当たりは無いのですが」
上司「いや、君にあのう、
問題があるというわけではね。
無いんだよ」
嘘だ。
しどろもどろの口調といい、
私を見ようとせずに
顔を俯けている態度といい、
問題が無いわけがない。
……ああ、もしかしてこれかな?
急に、一つだけ心当たりが
思い浮かんで来た。
たぶん耳のせいだ。
上司「君はなかなか
良い仕事ぶりだった。
能力がない人材だとは思っていない。
ただ、そのう。会社にも会社の都合
というか、考えがあるというか」
スカミ「わかりました」
これ以上粘っても無理なものは
無理だろう。私は引き下がった。
耳、厳密に言えば聴覚。
私には、重度の聴覚障害がある。
補聴器が無くては、
通常の生活は難しいのだ。
生まれて25年、今まで何度となく
ぶつかってきた壁が、またしても
目の前に立ちはだかったと、
私は思った。