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【第22話】仏のように温厚な夫にDQN893「痛い目を見る前に金出せ」と肩を掴んだ瞬間...
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 タイゴは返答する気力もなかった のか、弱々しく首を振った。 社長からの頼まれ事。 それは、ある美術品だった。 具体的にいうと、陶製の壺。 裏社会系のアイテムではなく、 純粋に社長の趣...
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【第1話】仏のように温厚な夫にDQN893「痛い目を見る前に金出せ」と肩を掴んだ瞬間...
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本編
社長「タクマ。車の方は俺が
引き受ける。もう帰っていいぞ。
つーか、さっさと帰れ。ここから
先は、見ない方が身のためだ」
社長の言葉は、うかつに
絡んできた性悪男女カップルには、
地獄の底から響いてきたかの
ように聞こえた事だろう。
タクマは全員に一礼して、
私を連れ、事務所を引き上げた。
ああああ、怖かったー---っ!!
クミコ「あの、タクマ?」
タクマ「詳しい事は家で話すよ。
怖がらせたくなくて、黙ってた
けど、実はこういう事だったんだ。
俺がブチギレたりすると、
本当にシャレじゃすまない。
だから自重してる」
私の夫、何者!?
どきどきしっぱなしで、
自宅に帰ったのだった。
さて、詳しい話なのだけど。
タクマの父は建設業関係に
必要な免許を持っている人で、
社長とは幼馴染だった。
その関係で、あくまでも
裏社会とは無縁な仕事の
補佐をしていたという。
タクマ「俺も子供のころから、
社長には可愛がってもらってた。
クミコには言ってなかったけど」
クミコ「そ、そうなの」
タクマ「大丈夫だよ。
社長は父さんとの約束で、
絶対に俺を裏社会の仕事に
関わらせないって、誓ってる。
ああいう人は代紋に誓って
っていうのは、とても重いよ」